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Chirascan-plus qCD -特徴-

円二色性分散計の次世代モデル

  • 少ないサンプルから最大限の情報を引き出す
  • 充分なCDアプリケーションデータ取得のための測定時間を劇的に短縮
  • CD、吸光度および蛍光光度データの同時測定が可能
  • 既存のタンパク質や未知のタンパク質の構造解析への扉を開く

概要

Chirascan-plus qCDは、2004年にリリースされた、革新的な技術とパフォーマンスが採用されたChirascanを基に開発されました。2年間にわたる開発およびテストにより、全てのCDアプリケーションにとって生産性および検出感度を改善させることが可能な、劇的なパフォーマンスの進歩がもたらされました。Chirascan-plus qCDは、生体薬学研究または開発部門といった、サンプルや時間が非常に貴重なアプリケーションに最適な円二色性分散計です。

Chirascan-plus qCDは、高データコンテンツ、高速データ測定および省サンプル消費という視点に立った実験計画への全く新しいアプローチへ導く扉を開きます。アプライドフォトフィジックス社は、Chirascan-plus qCDの性能の優位性をフルに活用して、少量のサンプルを用いた一度の測定によって、高品質な構造および熱力学的データを測定することが可能な、dainamic multi-mode spectroscopy (DMS)という技術を開発しました。

サンプルの節約、円二色性および吸光度、蛍光光度の同時測定、データ測定速度、そして強力な解析ソフトウェアを組み合わせることにより、非常に容易にルーティン的に実施することができるCD測定の質と回数を改善することが可能です。Chirascan-plus qCDは、未知のタンパク質の性質を分析するための生物物理技術として、非常に有効な機器です。

高感度ディテクター

Chirascan-plus qCDで採用されている半導体ディテクターは、一般的なUV/Vis円二色性分散計で採用されている光電子倍増管(PMT:フォトマルチプライヤーチューブ)と比較して、全波長域において測定感度が格段に優れています。このことは、下図に示すような半導体ディテクターの有する非常に高い量子効率に由来します。

Chirascan-plus qCDの半導体ディテクターと一般的なPMTの量子効率*の比較

多くのCDアプリケーションにおいて、一般的に測定される180nmから260nmの波長域において、S/N比がおよそ2倍になります。赤色波長域では、S/N比は桁違いに大きくなります。このS/N比の大幅な改善により、標準モデルでありながら既に高感度を有するChirascan qCDと比較して、同程度のクオリティのデータを取得するために要する測定時間は4分の1になります。

  • このことは、すべてのCDアプリケーションにとって生産性を向上させることに寄与します。生物学的特性評価を行う製薬研究所のように、円二色性分散計を頻繁に使用する研究には、Chirascan-plus qCDが最適です。
  • 測定感度が増強されたChirascan-plus qCDには、これまでのいかなる世代の円二色性分散計でも不可能であった全く新しいアプローチでの研究が可能になります。非常に豊富な情報を同時取得することが可能な、ダイナミック・マルチモード・スペクトロスコピー(DMS)が、その代表的な例です。
  • このS/N比の向上は、サンプル消費量を劇的に減少させることが可能なストップトフローCD分光法のような、カイネティックアプリケーションにとって非常に重要な要素です。

高性能な光学系デザイン

Chirascan-plus qCDには、Chirascan qCDと同様に高い光スループットを実現する革新的な光学系デザインが採用されています。特に遠紫外線領域での光スループットは驚異的です。光スループットの向上は、S/N比の改善と同義です。バンド幅を変化させたときの、Chirascan qCDの光フラックスの放射光スキャン結果を、下図に示します。

360nmから180nmの全UV波長域における、バンド幅1nmでのフォトンフラックスは1013/秒を超えています。この値は他の商用円二色性(CD)分散計のフラックス強度を遥かに超えています。さらに大きな光強度が必要になった場合は、短波長側178nmまでの波長域でバンド幅を4nmまで広げることが可能です。このことはプリズム方式の円二色性分散計において非常にユニークな特徴であり、Chirascanの革新的な光学デザインに由来します。つまり、Chirascan qCDはバンド幅1nmにおいて既にフォトンフラックスが他の円二色性分散計よりも優れているにも関わらず、さらにひと桁大きな光フラックスまで上げることができる能力を有していることになります。

Chirascan qCDが優れた光スループットを有していると言うことは、同じ測定時間で高いクオリティのデータを得ることができることと意味し、同じクオリティのデータを得るための測定時間が短くなるということと同義です。Chirascan qCDシリーズの上位機種であるChirascan-plus qCDでは、より感度の高いフォトダイオードディテクターが採用されていることから、更に優れたパフォーマンを得ることができます。

堅牢なディテクター

Chirascan-plus qCDのディタクターは固体素子であることから、物理的に堅牢な特徴を有します。このディテクターには、過剰な光強度といった、ディテクターにダメージを与える可能性のある状態を検知することが可能な、インテリジェントなエレクトロニクスがカップリングされており、自動的にディテクターを保護します。通常の使用条件の場合、ディテクターは、Chirascan-plus qCD本体よりも長い寿命となります。

拡張測定波長範囲

Chirascan-plus qCDは、遠紫外線領域から近赤外線領域の幅広い波長において高い量子効率を有していることから、測定可能な波長範囲が拡張されています。このことを示したグラフが下図になります。

Chirascan™-plusを用いて測定した酒石酸ニッケルの1100nmから215nmの波長域での単一スペクトルおよび400nmから300nmの波長域の拡大図

正確な吸光度とCDの同時測定

標準モデルChirascan qCDでも吸光度とCDの同時測定が可能ですが、光電子増倍管(PMT)のゲインを補正する必要があります。これにより僅かに発生する測定誤差を修正します。Chirascan-plus qCDのエレクトロニクスには絶対ゲインが記録されていることから、高性能なシングルビーム分光光度計と同様の正確さで、CDと同時に吸光度を測定することが可能です。このことは特筆すべきアドバンテージと言うことができます。

  • CD分析と同時にサンプルの正確な定量化解析が可能
  • サンプルの大きな吸光度によりCDシグナルのS/N比が悪化しないかどうかを確認することができることから、非常に容易に測定の検証を行うことが可能
  • DMSなどのアプリケーションにより、たった一度の測定から得ることができる情報量を増やすことが可能 フラット

フラットなベースライン

円二色分散計のベースラインオフセットの主な原因は応力を受けた光学部品内部での複屈折です。フォトマルチプライヤーを採用した従来型の機器における、もっとも大きなオフセットの要因は、フォトマルチプライヤー自身の窓です。Chirascan-plus qCDが採用する半導体ディテクターには窓がないことから、オフセットの要因とはなりません。

浮遊磁場の影響を受けない

Chirascan-plus qCDが採用する半導体ディテクターは、最大5テスラまで磁場による影響を受けません。APL社製MCD.3アクセサリーや他のMCDシステムを利用した磁気円二色性アプリケーションにおいてフォトマルチプライヤーを使用した場合、浮遊磁場により正確な測定が妨げられることから、このアプリケーションでは半導体ディテクターが理想的です。