Chirascan V100
-Dynamic Multi-mode Spectroscopy-
ダイナミック・マルチモード・スペクトロスコピー(DMS)
"バイオセラピューティックの成功のためには、安定して正しくフォールドしたタンパク質が絶対条件であり、目的の折り畳み構造の安定性は、適切な製剤により決定されます" Chrascan-plus DMSはアプライドフォトフィジックス社が開発した全く新しい測定技術であり、複数の分光プローブにより温度変化に対する二次構造の変化を観察することを可能にし、アンフォールディングの熱学的特性を解明します。 Chirascan-plus DMSは:
- 初期状態で正常にフォールドしており、生物学的に活性であることを証明します。
- 将来の免疫原性と潜在的関連性のある、アンフォールドステップと凝集ステップの識別を可能にします。
- 重要な折り畳み構造情報を得ることが可能な、構造要素の変化および変性の順序の識別を可能にします。
- 安定性の指標であるTmとエンタルピー値の定量的観察を可能にします。
従来、タンパク質製剤の安定性は、示差走査熱量測定法(DSC)を初めとする熱量測定法を用いて、エンタルピーや構造遷移中間点などの熱学的パラメーターを観察することにより、モニターされています。これらの熱学的パラメーターは異なる状態での相対的な安定性を示すことができますが、熱量測定法では、どのように折り畳み構造が変化しているかや、折り畳み構造変化が凝集を引き起こしているどうか、加熱前のタンパク質が希望の折り畳み構造をとっているかどうかといったことを知ることができません。
二次構造を知ることで、温度変化前のタンパク質の構造が希望通りであるかどうかを確認することができます。また、温度変化に対する二次構造を観察することで、加熱により構造がどのように変化するかを確認することができます。しかしながら、一般的に溶液中のタンパク質の二次構造を解析することが可能な手段は円二色性分散計だけであり、従来の円二色性分散計を用いて、温度変化に対するCD値の推移を測定することは、多大な時間を必要とします。
Chrascan-plus DMSは、分光測定と熱量測定の両者の利点を兼ね備えており、たった一度の一時間程度の測定で、非常に豊富な情報を得ることが可能です。
アプライドフォトフィジックス社製Chirascan-plus DMSは、円二色性分散計Chirascan V100と以下の追加コンポーネントのパッケージとなっています。
- Chirascan V100用半導体ディテクター
- 多チャンネル同時測定オプション
- 全蛍光測定ディテクター
- CS/PCS シングルセル・ペルチェ温度コントローラー
- 各種キュベット
- Chrascan Pro-Dataソフトウェア
- Global3 多波長熱学的解析用グローバルアナリシスソフトウェア