SX20 -仕様-
SX20は高いクオリティのストップトフロー測定データが求められる研究に合うようデザインされた機器です。標準システムには、2液混合、吸光および蛍光(または光散乱)検出、定常およびカイネティックモードでのスキャニング機能のすべてを高感度にて実行することができます。また、SX20には生体適合性のある恒温流路を備え、幅広い比率での非対称混合もサポートしています。Windows XPを搭載したPCにて動作するPro-Dataソフトウェアにより、データ測定、描画および分析を行うことができます。Pro-Dataは、幅広いストップトフローアプリケーションに適した、フレキシブルでパワフルな機能性とともに、総合的で使い易い操作環境をご提供します。
主な特徴
- 測定モード:吸光、蛍光、蛍光偏光/アニソトロピー、蛍光2色、3液混合、クエンチフロー
- 超高安定性キセノンランプ電源("セーフスタート"イグナイターを内蔵)
- 150W空冷キセノンランプハウスおよび低ノイズ型オゾン非生成型/生成型キセノンランプ
- 平衡吸光スペクトルおよび多波長カイネティックデータセットの測定が可能な、プログラマブル・モノクロメーター
- 交換可能なセルカートリッジを採用したサンプル処理部。標準仕様の20uLセルはデッドタイム1.1ミリ秒、光路長10mmおよび2mm。オプションの5uLセルでのデッドタイムは0.5ミリ秒
- 嫌気実験対応および耐活性溶液の流路材質
- 非常に幅広い温度レンジ(-20度~+50度)
- 40uL/シリンジの最低サンプル消費量
- 吸光測定用9段フォトマルチプライヤー(140~850nm)
- 蛍光測定用11段フォトマルチプライヤー(280~650nm)
- データ測定、描画および解析ツールを搭載した、Pro-Dataソフトウェア
- ネットワーク対応Windows PCおよびフラットスクリーンモニター
機器の仕様
光源
タイプ | 150W Xeアークまたは150W Hg-Xeアーク |
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点火 | "セーフスタート" 低RFI |
安定性 - 短時間(~200ミリ秒) | <0.001AU (peak-to-peak) |
安定性 - 中時間(1秒~10秒) | <0.001AU (peak-to-peak) |
安定性 - 長時間(10秒~1000秒) | <0.001AU (peak-to-peak) |
光源ウォームアップ | 0.5時間後95%、1.0時間後98% |
30分ドリフト(1時間動作後) | <1% |
光源は安定性の高いパワー制御されたランプ電源から構成されており、対流冷却式のランプハウスに内蔵された150Wショートアーク・ランプを動作させます。高性能ランプ電源とショートアーク・ランプの組み合わせにより、全データ測定期間において素晴らしい安定性を実現します。これらの特徴により、1つの光源を用いて、UV/Vis吸光測定だけでなく蛍光励起をも行うことを可能にしています。
標準仕様システムには、非常に実用的な汎用ランプであるオゾン非生成型のキセノンランプが搭載されています。高度な使用方法のために、代替えランプを使用することが可能です。遠紫外波長域(240nm以下)での測定には150W生成型キセノンランプが、特定の蛍光励起アプリケーションには特定波長において強い放射光ラインを有する150W水銀キセノンランプが適しています。
ランプ点火には画期的な"セーフスタート"イグナイターを使用されます。これによりランプ点火時のRFI(無線周波数干渉)を最小限に抑え、ランプ周辺にある影響を受け易い遠視機器にダメージを与える危険性はありません。
モノクロメーター
光学レイアウト | シンメトリックCzerny-Turnerマウント |
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分光媒体 | 回折格子 |
スリット | バイリテラル(最大5mmまでの無段階調整) |
分散 | 4.65nm/mm |
最小波長ステップ | 0.1nm |
波長値入力後の動作速度 | 1500nm/分 |
1500nm/分 | 200nm~850nm |
SX20のf3.4回折格子モノクロメーター(Czerny-Turnerマウント)は無段階調整のバイリテラルスリットを採用しており、1200l/mmのホログラフィック回折格子を搭載しています。このモノクロメーターは、波長選択方式としてステップモータードライブを採用しており、ワークステーションから制御することが可能です。そして、モノクロメーターから出力された光は、高品質合成石英ライトガイドを経由して、サンプル処理部のセルカートリッジへ導入されます。
サンプル処理部
ビューポート数 | 透過/吸光用2ポート 蛍光/散乱光用1ポート |
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セル容量(標準セル) | 20μL |
光路長(標準セル) | 2mmおよび10mm |
セル容量(オプションセル) | 5μL |
光路長(オプションセル) | 1mmおよび5mm |
デッドタイム(標準セル) | 1.1ms(1:1混合) 1.6ms(10:1混合) |
最終到達流速の最大値 | 18.5mL/ms |
1ショット毎の最小消費サンプル量 | それぞれの溶液について50µLずつ |
混合比(適切なシリンジが必要) | 1:1、2.5:1、5:1、10:1、25:1 |
ドライブ駆動機構 | ガス圧駆動 |
3液混合 | |
エイジング時間設定範囲 | 15ms~>1000s |
エイジング時間設定方法 | 制御ソフトウェアから直接設定 |
算出デッドタイム | ドライブ毎に自動記録 |
算出エージングタイム | ドライブ毎に自動記録 |
ドライブプロファイル | ドライブ毎に自動記録 |
ドライブボリューム | ドライブ毎に自動記録 |
ドライブシリンジ、流路および光学セルは恒温槽に覆われています。サンプルが流れるエリアは化学的不活性な材質を用いて製造されており、金属やゴムを含みません。このエリアの材質は、ガラス(シリンジ)、シリカ(光学セル)、PEEK(流路およびドライブバルブ)そしてテフロン(シリンジピストンのシール)により構成されています。ラムを駆動させるために、窒素や空気などの圧縮ガス(8bar)が必要となります。
エレクトロニクスおよびソフトウェア
データ測定分解能 | 16bit |
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データ入力範囲 | +10V~-10V |
最大デジタル化範囲 | 100kHz |
測定期間タイムベース1 | 5ms~36000s |
測定期間タイムベース2 | 1.25ms~10000s |
ロガリズミック測定期間 | 1ms~10000s |
データ・オーバーサンプリング | リニア・タイムベース:100kHz ログ・タイムベース:可変 |
自動レンジ調整 | レンジ設定を自動で最適化 |
エレクトロニクス・ユニットは、サンプル処理部やモノクロメーター波長設定の自動設定や、フォトマルチプライヤーからのデータ取得、そしてデータ処理を行ないます。SX20のエレクトロニクス・ユニットはモジュール方式が採用されており、必要な機能を容易に追加することが可能な構造となっております。また、突発的な不具合が発生した場合でも、原因がエレクトロニクス・ユニットにあることが明確であり、必要に応じたモジュールを交換することにより、迅速に不具合に対処することが可能です。
PCワークステーション
SX20は、エレクトロニクス・ユニットと通信するための光ファイバーインターフェースを内蔵したWindows PCをワークステーションとして採用しています。このワークステーションより、Pro-Dataソフトウェアを経由してSX20の制御が可能です。