科学アプリケーション向けCCDカメラのマーケットリーダーであるSpectral Instruments社が、製品ラインナップを革新的な冷却CCDカメラまで広げました。冷却CMOSカメラ1600Sプラットフォームには以下の特徴があります。

• 高速電子シャッター、適切な読み出しスピード、低読み出しノイズ
• 大画素、表面または裏面照射、高QEセンサー
• 可視光、UV光、X線照射、電子線に感度
• 耐放射線カメラおよびセンサー
• 光学窓、光ファイバーテーパー、フェイスプレートまたは窓なし
• カスタムデザイン

1600S CMOSカメラ

高性能科学アプリケーション向けイメージングシステムの開発および製造を拡充し、Spectral Instruments社はさまざまな大ピクセル、大画素CMOSセンサーを適応するよう特別に設計された冷却CMOSカメラ1600Sをリリースしました。

1600Sの物理的サイズおよびフォーマットは、同社製高性能コンパクトデザインCCDカメラ1000Sに基づいています。標準の1600Sには40mm x 40mmのセンサーが搭載されています。より大きなセンサーの場合、1600S EXには最大で60mm x 60mmのセンサーを搭載することができます。

搭載されるセンサーは科学アプリケーションにおける高精度測定のためにデザインされたものです。センサーは一般的に裏面照射型で、センサー裏面の表面処理によって、電子線、X線、UV光または可視光の検出に最適化されます。放射線耐性が強化されたセンサーや電子シャッターが極めて高速なセンサーがあります。また、オンチップA/Dコンバーターが採用されたセンサーやオフチップコンバーターが採用されたセンサーもあります。1600Sの構造は非常に柔軟性に優れていることから、必要に応じて新しいセンサーを選択肢に加えることが可能です。

1600Sの前部構造は実験の要求に応じて変更することが可能です。電子線および軟X線測定には真空対応フランジが取り付けられます。また、アプリケーションに適したARコーティングが施された、さまざまな材質の光学窓を取り付けることも可能です。シンチレーターやフォスファーとカップリングするために、センサーに光ファイバーファイスプレートやテーパーを接着することもできます。お客様のニーズに対応するために、Spectral Instruments社はカメラシステム前部の光学的および機械的構造を定期的に修正しています。

1600sはHTTPカメラサーバーへは1Gbit光ファイバー接続、カメラサーバーからホストコンピューターへは1Gbitイーサネット接続が採用されていることから、適切なフレームレートを提供します。この構成はカメラドライバーを必要としないことからカメラ接続をシンプル、確実、簡単にしています。また、特殊なカメラインターフェイス用ハードウェアを必要とせず、さまざまなコンピュータータイプおよびオペレーティングシステムからカメラを操作することを可能にしています。2K x 2Kサイズのセンサーの場合、最大フレームレートはおよそ10FPSです。

カメラ本体および搭載可能なほとんどのセンサーは、50krad TID以上の放射線耐性があり、高電磁パルスや真空環境を含む厳しい環境下での使用を目的としています。システムはダンプ・アンド・リード測定に最適化されており、センサーはトリガーまでチャージを放出し、既定の時間間隔においてシグナルを積算して読み出します。トリガー電気回路は光ファイバーや電気入力を用いて、高速応答および低ジッターのために最適化されています。

1600Sのセンサーは電子冷却されています。冷却温度はセンサーサイズ、光ファイバーカップリングの有無、アプリケーションが要求する暗電流レベルに依存します。一般的に、センサーの動作温度は-10°Cから-50°Cの範囲内になります。廃熱はサーキュレーターを用いて取り除くことが最善ですが、冷却能力は落ちますが強制空冷も可能です。

SI Imageソフトウェアを用いて、サブアレイサイズやビニング、トリガーアーミング、積算時間などのカメラパラメーターを制御することができます。また、シンプルなグラフィカルインターフェースを用いて、イメージの撮影、保存、表示および分析を行うことが可能です。SI Imageの代わりに、ソケットレベルプログラミングにより、HTTPカメラサーバーインターフェースを用いて、カスタムソフトウェアを開発することができます。

1600Sに搭載可能なCMOSセンサー