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極低温単軸ひずみセル CS100シリーズ

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極低温環境下において、サンプルに調整可能な引張および圧縮負荷を加えながら、ひずみ測定を行います。走査プローブ顕微鏡、共焦点顕微鏡、X線散乱、中性子散乱、抵抗率、磁化率およびその他多くの測定テクニックと組み合わせて使用することができます。
Razorbill Instruments社製Cryostrainは広範な商用または自作の極低温測定システムと組み合わせて使用するためのコンポーネントです。

概要

極低温引張圧縮セルCS200
  • 機械的なフィードスルーを使用することなく、極低温環境下において、正確かつ連続的に調節可能な引張または圧縮負荷をサンプルに与え、ひずみを測定することが可能。
  • コンパクトデザイン。すべてのモデルは1インチ(26mm)ボアに垂直に設置可能。もっとも小さいモデルであるCS100の場合、水平に設置することができます。
  • 温度補償。広い温度範囲において、印加される負荷を一定に保つことができます。
  • 1K未満の極低温および高磁場環境下に対応
  • 高いひずみが可能(通常、サンプルの座屈や破断により制限されます)
  • サンプルへの広いアクセス角度。極低温走査型プローブ顕微鏡(SPM)に最適。

仕様

CS100 CS110 CS120 CS130
寸法 長さ 24 mm 28 mm 32.5 mm 37 mm
高さ 13 mm 13 mm 13 mm 13 mm
重量 24 g 26 g 28 g 30 g
最大サンプルばね定数1 5 x 106 N/m 5 x 106 N/m 3.5 x 106 N/m 2.6 x 106 N/m
想定サンプルサイズ2 断面積 0.05 mm2 0.04 mm2 0.03 mm2 0.02 mm2
長さ <1.5 mm <1.5 mm <1.5 mm <1.5 mm
動作温度 <300 mK - 400 K
ゼロ負荷時の最大変位範囲 室温
(at -20V/+120V)
±6µm(合計12µm) ±7µm(合計15µm) ±13µm(合計25µm) ±17µm(合計34µm)
極低温
(at ±200V)
±3µm(合計6µm) ±4µm(合計8µm) ±7µm(合計14µm) ±10µm(合計20µm)
材質 筐体 非合金チタン(Grade 2)
ピエゾスタック PZTセラミックス
接続 ドライブ HVケーブル3 4本
センサー 同軸ケーブル 2本
フィードバックセンサー 分解能0.1nm - 10nm(使用するキャパシタ・ブリッジに依存)

1 この最大値は、室温において最大の変位長を発生させるときの値です。変位長が小さい場合は、より硬いサンプルを使用することが可能です。指針として下記グラフをご参照ください。

2 サンプル断面積は代表的なヤング率に基づいたばね定数から算出されています。表記より長いサンプルも使用可能ですが、最大印加負荷が減少します。

3 ±200Vまでは従来型のワイヤーを使用可能です。

アプリケーション

  • 理論から実験への適合
    近年、理論的に予測される構造と特性の関係性を実験的に比較するために、材料に単軸方向の負荷をかけたときの電気特性および磁気特性の研究が盛んに行われています。こちらの凝縮系物理学における単軸負荷をご参照ください。
  • さまざまなプローブに対応
    Cryostrainは極低温測定システムに理想的なデバイスです。X線回折、走査型プローブ顕微鏡、光学イメージング、電気計測などのさまざまな測定プローブに対応します。
  • 既存技術の補完
    Cryostrainはダイアモンドアンビルセルを補完することができ、さらに良好なサンプルアクセス、引張および圧縮負荷、in-situ環境下での負荷の調整が可能です。
  • 十分に思考された新たな技術
    Cryostrainシリーズは実験室環境において2年以上使用された技術に基いており、その間に論文も発表されています。

動作領域

Cryostrain動作領域

サンプルのばね定数と変位の許容値に関する概要を左図に示します。

大きな変位を得るためにはサイズの大きなセルが必要となり、CS130が最も大きな変位を与えることができます。大きな変位を与えた時、既定のサンプルのばね定数に応じた応力がセル内部に生じます(フックの法則)。内部応力が一定値を超えるとセルが破損する可能性があります。そのため、内部応力を最大値以下にキープするためには、セルを最大変位以下で使用するか、ばね定数の小さいサンプルを使用する必要があります。充分に小さい変位量の場合は、内部応力が閾値を超えることはありませんが、その場合でもサンプルのばね定数の上限は5x106 N/Mとなります。過度に堅いサンプルはセル内部に許容量を超えるねじり荷重を生じ、ポジションセンサーの精度に悪影響を及ぼす恐れがあります。

動作原理

Cryostrain動作原理図

左図はCS100セルのイラストを示しています。この図はサンプルが正および負のひずみを受けたときの、ひずみセルの動作を表現しています。デモンストレーションのために、図内ではセルの動作が誇張して描写されています。

  • 熱補償
    ピエゾスタックは冷却したときに分極方向に伸びる性質があります。この延長はスタックのストロークよりも何倍も大きいことから、対策を講じない限り、温度が変化した場合、ひずみを正確に制御することができません。しかし、Razorbill Instruments社製引張圧縮セルCryostrainシリーズは、熱膨張を打ち消すようにピエゾスタックを配置することにより、この問題を解決していることから、サンプルのひずみがピエゾスタックの熱伸長の影響を受けません。
  • 変位範囲の増大
    熱補償以外にも、対になるピエゾスタックをお互いに逆方向に動作させることで、一つのピエゾスタックにサンプルに固定する場合と比較して、より大きな変位を生じることを可能にします。本来、ピエゾスタックのストロークが短いことを考慮すると、このことをは非常に有用な改善方法を言えます。
  • サンプルへの優れたアクセス性
    セルの最上部にサンプルを取り付けることにより、アクセス角が最大になっています。例えば、サンプルがセルに取り付けられた状態で、走査プローブチップがサンプル表面をスキャンすることが可能です。

必要機器

最善の結果を得るために、以下に示す機器をご準備いただくことを推奨しています。

  • Razorbill Instruments社製電源RP100は4モデル全てのCS1xxひずみセルと互換性があります。この電源は低ノイズの4象限シンク/ソース電圧(±200V)を出力可能です。
  • フィードバックセンサーを使用するためには、およそ1pFの電気容量を検出する必要があります。10nm以下の変位の検出を可能にするためのキャパシタンスブリッジの選択肢としてKeysight社製E4980AL(20Hz-300kHz)を推奨します。

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CS100シリーズのデータシートサンプル取付ガイドをご用意しています。お気軽にお問い合わせください。